さう日和。

ファニーフェイスなオナゴ。ジャニーズ中心生活。

長編

不器用なアイツ。【14】

--------------- 『……んぅ…』 眩しさに目を開けると、 カーテンの隙間から 真夏の太陽の光が 俺の顔を照らしていた。 見慣れない天井に、 見慣れないベッド… ベッタリと汗ばむ体を起こして、目をこすりながら 寝ぼけ眼で時計を見ると7時をち…

不器用なアイツ。【13】

--------------- タクシーの運転手に 彼女と俺の家がある方向とは、 全く別の場所に向かうように頼んだ。 そんな俺の顔を隣で 何が起こったんだか分からなそうに 見つめていた彼女だったけれどもう静かに座っている。 …彼女は一体いま何を考…

不器用なアイツ。【12】

--------------- 一度身についた習慣というものは それは怖いものだ。 今日もまた、夜ケータイを起動して 無意識のうちに通話履歴を開いてしまう。 本当に、文明の利器とやらは どこまでも便利で正確で…それでいて容赦がない。 通話履歴には …

不器用なアイツ。【11】

--------------- 嫌な目に合わせてしまったことを 謝りたくて、午後の仕事が始まる前に 彼女に電話をかけた。 走り出した時の彼女の怯えた顔が 忘れられなくて 早く声を聞きたかったのに 彼女は電話に出てくれなかった。 もう午後の仕事始ま…

不器用なアイツ。【10】

--------------- 外回りから帰ってきて、 いつもの通り自分のパソコンに 届いたメールを確認しようとした時 それが現れた。 『なんだこれ』 会社内の連絡用の受信トレイに入ってた 匿名の捨てアドで作られた そのメールは、 “あの人を返して…

不器用なアイツ。【9】

------------------ 水族館で彼女とデートをしてから、 俺はずっとシャアの今までの事を調べた。 同期に聞いたり、 他の部署の女の子に聞いたり。 女の子に積極的に話しかけてる俺を見て、 『ついに福ちゃんが彼女作る気になった!!』 と…

不器用なアイツ。【8】

--------------- うるさいくらいに耳元で 泣いていた彼女の声が 少しずつ小さくなってきた。 もう首元の服は涙で濡れまくりだし、首に回されていた腕は 泣いたせいで体温が上がった 彼女のせいで少し汗ばんでるし、それでも離そうとしなかっ…

不器用なアイツ。【7】

--------------- “なら明日行く” 彼女に昨日そう告げた通り、 店に来た。 1番最初に頭に浮かんだマツを誘おうと ケータイを手にしたんだけど、 …あれ?こないだもマツと行ったな… ふとそんな事を思ったから 辰巳に電話したらちょうど コッシ…

不器用なアイツ。【6】

------------ …ほんっとにこいつは… 『だから、来月に帰る…』『…来月?』『うん、連休に。』『気をつけて行って来てください』 報告が遅い。 あの日彼女を送った時に、俺の家族が楽しそうなのを見て 家族っていいなって思ったと言った彼女に 俺…

不器用なアイツ。【5】

---------------- 彼女の涙と鼻水で びっしゃびしゃになった袖の 冷たさを感じながら運転する。 助手席に座る彼女は 鼻が詰まった声で、 『そこのコンビニ左…』 丁寧に自宅までのナビをしてくれるんだけど… 『次の信号も左…』 何故か俺ん家…

不器用なアイツ。【4】

------------------ 揺れてる。 左右上下に頭がフラフラ。揺れてる。 さっきから怪しかったけど これはもう完全に、 『寝ちゃったかー?』 完全に寝落ちしちゃったっぽい彼女の 顔の前で手を振る。 さっきまでは俺の釣りの話聞いて、 『こ…

不器用なアイツ。【3】

--------------- 『いらっしゃいませー! あ、今日も来てくれたんですか!?』 今日はマツと。 一昨日は辰巳とコッシーと。 その前は同期の男何人かと。その前の前は…誰かと。その前の前の前は…忘れた。 結構来てる。結構来てるのに… 『今日…

不器用なアイツ。【2】

-------------- あれは多分もう3年以上前になると思う。 会社の先輩と一緒に別の会社に 訪問に行ったときの事だった。 入社してから何年か経って、 やっと1人で大体の仕事が出来るようになって。じゃあ次のステップ… って感じで、先輩に連れら…

不器用なアイツ。

------------ 『ねぇ〜〜俺のケータイ知らなーい??』 ジーパンのポケット全てに 手を突っ込んで確認しながら 前を歩く3人に声をかける。 『え?無いの?』『うん、無い〜』『しっかりしろよ酔っ払い(笑)』 周りにやんや言われても無いものはな…

福田くんってさ。【14】

---------------- 夢を見た、気がする。 夢の中の私は笑っていて とびっきりの笑顔を見せていてなでられる髪が気持ちよくて、 大きな手にドキドキして すごく幸せな夢を見た、気がする。 …でも、そんな私に突き付けられるのは どうしようも…

福田くんってさ。【13】

------------- タクシーの中で福田くんは何も話さなかった。ただ、私の手を握って 窓の外の流れる景色を眺めているだけ。 だからって私からも話しかけないから タクシーの中はひたすらに沈黙が流れる。 『……』『……』 でも、その沈黙が嫌じゃな…

福田くんってさ。【12】

------------ 『女ってのはこうも変わるものなのかねぇ…』 3ヶ月ぶりにオフィスの方に 出勤した私をまじまじと見ながら アキラさんがそう言った。 『アキラさん〜そこは可愛くなったって 言ってあげないと!』 私の横に立つ姐さんが頬を膨らまし…

福田くんってさ。【11】

--------------- 『これで全部かな?』 家具が付いてくるマンスリーアパートの一室で、 姐さんがそう言った。 『とりあえず、こんなもんですかね』 空になった段ボールを片付けながら 言う私に姐さんがぎゅっと抱きついた。 『さ、お蕎麦食べ…

福田くんってさ。【10】

--------------- 福田くんに告白しようと決めて2週間が経った。相変わらず福田くんからの電話は 毎日かかってくるんだけど 『…ねむい…』『大丈夫…?』 最近の福田くんはなんだかとてもお疲れ。 『…寝ます』『うん、おやすみ』『おやすみ〜』 …

福田くんってさ。【9】

------------ 世の中っていうのは何が起こるか分からない。 男からの性の対象に無縁だと思っていた私が 金持ちのクソ野郎に好まれ 公園で無理やり犯されそうになるんだから。そしてムカつくくらい嫌いだった人に助けられて、 その人に恋をしたと…

福田くんってさ。【8】

--------------- 『落ち着きましたか?』 叫ぶような泣き声が止んで グズグズと鼻水をすする音が聞こえてきた頃に 福田くんは私を抱き締めていた 腕の力を緩めながら聞いてきた。 私がコクン、と頷くと 福田くんは私の肩を優しく押して 顔を…

福田くんってさ。【7】

------------ 翌日の居酒屋バイト。 私は出勤時から気が気でなかった。 福田くんが来るというだけで なんかフワフワして仕事に集中出来なかったのだ。 『今のお客様、○○さんの友達って言ってましたよ!』 さっきお客様を案内していた子が 伝えに…

福田くんってさ。【6】

------------- 数年振りに聞いた親の声は 思った以上に普通だった。 福田くんのあの笑顔を思い出しながら 少しだけ震える手をギュッと握ってかけた電話は 呼び出し音を何回か鳴らして、母へとつながった。 『おー、おー、急にどうした〜 びっく…

福田くんってさ。【5】

--------------- 『今日はどこのバイトだったの?』『今日は居酒屋』 洗濯機に衣類と洗剤を入れながら、右肩を上げてケータイを耳に押し付け、 電話から聞こえる柔らかい声に応える。スイッチを入れてから気づく。 …柔軟剤入れ忘れちった… こ…

福田くんってさ。【4】

--------------- 『ほんっっとにありがとう、○○ちゃん! 今日はゆっくり休んでね! じゃあ僕は本部へ行ってきます!』 私から受け取った書類を 大切そうに抱えながら タクシーに乗り込んだアキラさんを見送ったのは つい30分ほど前の事。 私…

福田くんってさ。【3】

--------------- 『○○さん、あそこのお客さんとも 知り合いなんですかぁ?』 あんな顔面蒼白でトイレに駆け込んでいた 後輩くんは私が戻るとケロリとした顔で ドリンク台に立っていた。 『下痢間に合ったかい?』『んなデカイ声で言わないで…

福田くんってさ。【2】

昨日のぴたラジ。 最高に可愛かったですね。 1時間あっという間。フクダムスちょー軽いし。 マツは相変わらず可愛いし。 越岡さんブチ切れるし。 辰巳くん面白いし。 他のことは特に考えません(笑) 誰が何をしてるって?写真をアップしたって? 聞こえないな…

福田くんってさ。

私、福ちゃん好きなんです。とても。 だって最高にカッコいいじゃないですか。 全てにおいてちょうどいい…というか。身長も体型も顔面もズバ抜けてカッコいいのに あの性格。自由人なのにしっかり者。本当にあんな人と結婚したいです。いや、むしろふくだく…