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さう日和。

ファニーフェイスなオナゴ。ジャニーズ中心生活。

不器用なアイツ。【6】

ジャニーズ 妄想 長編


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…ほんっとにこいつは…


『だから、来月に帰る…』

『…来月?』

『うん、連休に。』

『気をつけて行って来てください』


報告が遅い。


あの日彼女を送った時に、

俺の家族が楽しそうなのを見て
家族っていいなって思ったと言った彼女に
俺は課題を課した。


人の家族の問題に無関係な俺が顔出して
福田くんに関係ないじゃんって
言われたらどうしようもなかったけど、

彼女は俺の言ったことを受け入れてくれて
それでいてちゃんと家族に
会いに行くことも決めたらしい。


俺の言葉で、
彼女の中にある不安要素が
1つ無くなったことが嬉しい。


そうやって1つ1つ無くなって
愛想笑いばっかりしてないで
我慢しないで泣けばいい。

そしてそのあと
思いっきり笑えばいい。


『○○』

『ん?』

『よく頑張りました』


きっと簡単じゃなかったと思う。

簡単じゃなかったからこそ
何年間も連絡出来なかったんだと思う。


結果が良かったとしても
母ちゃんか父ちゃんかに連絡する時
すごく勇気だしたんだろうな…

そう思うと、
彼女をたくさん褒めてあげたくて
仕方なくなった。


『…ありがと、』


少し照れ気味にそう言った彼女は
なんだか嬉しそうだった。








会社で初めて会った。


もしかしたら今までも見かけてたのかも
しれないけど、
ちゃんと意識してから初めて。


…なんだっけ、後輩くんが呼んでた


…んーと、

…んーーと。


あ、シャアだ!


思い出した。


このフロアではめったに見ない
金髪が目に入って
なんとなくそっちに目を向けたら
そのシャアがいた。


今日も自信たっぷりのそのオーラ。


『…げっ』


シャアから目をそらせずに
見つめていた俺の隣で同期が声を漏らす。


『なんであの人いるのよ…』


いつもならシカトするその声だけど、

あの居酒屋にわざわざ出向いて
彼女の出勤日をしつこく聞いて、

可愛いって言ったり
どこに住んでるか知ろうとしていた
シャアの存在が気になりすぎて


『…お前あの人知ってんの?』


同期に尋ねる。


どうも俺は彼女の事になると
どんな事でも知りたくなるらしい。


反応した俺に同期が少し身をかがめながら


『悠太、あの人の噂知らないの?』


小さい声で質問をし返してくる。


どんなに周りから“気持ち悪い”だの、
“絶対無理”だの言われている男でも

自分に好意があれと知れば
愛想を振りまくる同期が
ここまで嫌がるシャアには
やっぱりそれなりの理由があるそうで…


『…何人もの女の子と関係持ってるって』

『は?』

『しかもお金絡んでるらしいわよ』



確かに聞いたことあるかもしれない。


女の子たちの間で有名な話は
男の間でももちろん出てくる。

でもそれは女独特の
あーだのこーだの言いまくる噂…
って感じではなくて


ただ会話の間に
ちょろっと出てくる程度のもの。


“なんか金使って女とヤりまくってる
奴いるらしいぜ。”


どこまでが本当で、
どこまでが嘘なんだか
分からない程度の噂話。


…色んな世界があるんだなぁ、


なんてぼんやりと思ったことも
思い出した。


『私も言われた。月に30万でどう?って。』

『…わぉ』

『…頭おかしいわよね』

『……』


毛穴が開く。


別に噂を聞いていただけの時は
なんとも思わなかったし

そういうことやりたいなら
お好きなようにって思ってたけど



…絶対あの野郎、
彼女の事もそうしようとしてる…


ふざけんじゃねぇぞオイ…


根拠は無いけど、
そう思った俺はイライラする気持ちを
全面に出しながらシャアを睨んだ。


『…悠太?』


怒りに震える俺の隣で
同期が何やら喋ってたけど
全く耳に入らないくらいに
俺はシャアを睨み続けていた。








彼女がそんな対象として見られていると知れば
そりゃあ彼女に会いたくて
たまらなくなるわけで


『マツ、飯行くぞ』

『えっ、俺企画書まだ終わってな…』

『死ぬ気で終わらせろ』


マツの予定なんてガン無視で
電話を切った。


ダッシュしてきたのか
待ち合わせ場所に30分ほど遅れて
到着したマツと向かう先は
もちろんあの居酒屋で


『いらっしゃいませーー!!!』


今日も今日とて後輩くんが
出迎えてくれた。


『あー!福ちゃんさんにザキさん!
こんばんはー!!』


元気に声をかけてきてくれた
後輩くんの笑顔が次の瞬間曇る。


『福ちゃんさん…あのう…』


そんな気はしてた。

そんな気は心のどこかでしてた。


…だから


『いないのね(笑)』


笑いながら言うと、
後輩くんはしょんぼりしながら


『なんでいつも福ちゃんさんは
○○さんいない時に来るんですかぁ!
もう逆に狙ってるとしか思えないですよう!』


何故か俺じゃなくて、
マツにポコポコと猫パンチをする
後輩くんが本当に悔しそうな顔をしていて

それがなんだか笑えた。


店内は平日だったからか
めっちゃ空いてて、
暇そうにしていた後輩くんは
俺らの卓に居座って普通に喋る。


『仕事しなさいよ』


皮肉めいてそう言うと
後輩くんは笑いながら


『○○さんが昨日のうちに
仕込みやら発注やら全部終わらせたから
仕事残ってないんすよ』


って言った。


彼女は仕事が早いらしい。


『て言うか聞いてくださいよ〜』

『どうしたんですか』

『最近シャアの奴が
調子乗りまくってるんですよう!』


タイムリーな話題に
俺の背筋がピッと伸びた。


『調子乗ってる?』


つい口を噤んで
怖い顔になった俺の代わりに
マツが会話を進めてくれる。


『前より○○さんへの執着が
強くなってるっていうか、』

『……』

『なんかもう見てるだけで怖いんです』

『……』

『シャアの○○さんを見る目とか
もう気持ち悪くて気持ち悪くて。』

『……』


ビールグラスを潰れそうなほどに
握りしめる。


…俺の女いやらしい目で見てんじゃねえ。


自分の彼女でもないくせに
そんな感情が生まれる。


『だから俺、色んなバイト生に
○○さんのことはシャアに話しちゃ
ダメだよって言ってるんですけど…』

『…けど?』

『…はい…』


頼もしい味方の後輩くんが
困ったように、


『1人厄介な
おばちゃんバイト生がいるんです…』


小さく呟く。


『俺がみんなを口止めして、シャアに
○○さんのこと話さないようにしてるの
なんか嫉妬してると思われてて』

『…嫉妬?』

『俺が○○さんの事を好きだから
シャアと○○さん距離を置かせようとしてる…
的な勘違いをされてるんですよう』

『……』

『俺、○○さんの事
女として見たこと一度もないのに…』


そこで思いっきりビールを吹き出す俺とマツ。


『一度もって…』


咳き込みながら言う俺に、


『タイプじゃないですもん』


ハッキリ言ってきた後輩くんに、


やっぱり俺、この子好きだな(笑)
って思った。


『○○さんの事は好きですけど
タイプではないです。』

『笑わせるな〜〜(笑)』

『タイプって大切ですよ』


ケラケラ笑いながら更に付け足して
そう言う後輩くんに、
さっきまでのイライラした気持ちが
少しだけ和らいだ。


『まぁシャアの好きにはさせませんよ』


ニヒルに笑って、
ね?福ちゃんさん?
って言ってきた後輩くんに


あれ?バレてる…?


と、少し恥ずかしくなった。





意識に上ると、
その人ばかりに目が行っちゃうわけで。

やたら最近会社でシャアを見かける。


あれからシャアの事を
詳しく同期に聞いた。



やってることは最低でも、
ルックスもいいし金もあるし

何より“エリート”と言われる奴には
群がる女もいるらしく

そういう金絡みのことが
出来ているらしい。


しかも奴のこなす仕事量は
半端じゃないみたいで

ことの全てを知っていても
その大量の仕事を片付ける奴に
上司でさえも何も言えない…

だからこそ奴は好き勝手やる。


そんな状態らしい。


『…手出すなよ』


遠くに見えるシャアに向かって
小さい声で1人呟いた。




家に帰って慣れた手つきで
ケータイからその連絡先を出す。


ビール片手にケータイからなる
呼び出し音に耳をかたむけて…


『あれ?』


珍しく出ない。


いつもは3コールもすれば
出るくらいに反応がいいのに。


ちょっとだけ悶々する気持ちを
感じながらも、
通話終了のボタンを押して
ビールを喉に流し込んだ。



そんな彼女から電話がかかってきたのは
テレビを見て、風呂も入って、
もう寝る体制に入ろうとした時だった。


『はいよ』


嬉しい気持ちが彼女にバレないように
いつも通りを装って電話に出る。


『ごめんね、遅くに』


別に謝らなくていいのに
ごめんねと謝る彼女を可愛いと思う。

俺が勝手に電話かけてるだけなのに
彼女の中で俺からの電話を
返すのが当たり前になっている…

彼女のその心理が可愛いと思う。


『全然。遊びに行ってたの?』


あんまり友達がいる様子もないけど
若い女の子なら
少しくらい遅くまで遊ぶこともあるだろう。


そう思って聞いたけど


『なんか良く分からない』


彼女の答えは
俺の一番聞きたくない事で…


『シャ…お店のお得意様がいてね』


俺の気持ちを落とすには
十分すぎる話だった。


『…お得意様…?』


分かるけど聞き返してみる。


『そう。ほんっとに気持ち悪い人なの。』

『ほぉ』

『店長と3人でご飯連れてかれて』

『……』

『気分悪かった』

『……』

『お金持ってるんだか仕事できるんだか
知らないけど…
あーゆう人生理的に無理。』


ブツブツと愚痴をこぼす彼女に対して
自分の言葉が少なくなっていく。


『時間無駄にした気分っ』


フンッと鼻をならした彼女に、


『…そんなに嫌いならなんで飯行ったの?』


自分でもビビるくらいの
低い声が出た。


『…え?』

『なんで飯行ったの?』


彼女が少し身構えたのが分かったけど
彼女に気が使えるほど
今の俺には余裕がなくて。


『店長が…』

『断れば良かったじゃん』

『断った…けど、』

『けど何?』

『…ダメで…』

『自業自得じゃん』


あー言えばこーゆう俺に、
ついに彼女は黙り込んでしまった。


彼女と付き合ってるわけでもないから
怒る権利なんてないけど、

そんなんで怒りを我慢できるほど
俺は大人じゃない。

ムカつくものはムカつく。


なんなんだよ、飯行ったって。


俺はこんなに心配してるのに、
そんな軽く飯なんて行くなよ。

もっと危機感持てって。


ケータイを耳に当てながら
イライラで貧乏ゆすりが止まらない俺に


『福田くん…なんか怒ってる…?』


彼女が聞いてくる。

俺に気を使ってる感満載の
彼女の聞き方にもイラつく。


『怒ってませんよ、別に』

『…明らか怒ってんじゃん』

『怒ってません』

『ならいいけど…』


120%怒ってるのに、
怒ってないと嘘つく俺に
彼女は少し口を尖らせ気味になる。


このままじゃ、何も知らない彼女に
八つ当たりしてしまいそうだ。


1つ息を吐いて
気持ちを落ち着かせてから、
彼女に話しかける。


『明日のバイトは?』

『…居酒屋、だけ。』

『なら明日行く』

『…』

『待ってて』

『…分かった』


まだ少し不貞腐れる彼女に、


『とりあえず気をつけなよ』


その言葉だけ口にして、
彼女が素直に頷いてから


『おやすみ』


と、電話を切った。



絶対に守る。


シャアの顔を思い出して
奥歯ギリギリしながら
布団に潜り込んだ。






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次回、「光一兄さん…あなたがケータイで撮ったという、福田くんと越岡くんと松崎くんのお尻丸出しの写真欲しいんですけどいくらで売ってくれますか?いくら積めばその写真売ってくれますか?どうぞご検討ください。多分その写真バカ売れします。事務所に利益がたくさん出ます。ご検討ください。お願いします。売ってください。お願いします。スペシャル」やります。


サンキューサンキューでーす。