さう日和。

ファニーフェイスなオナゴ。ジャニーズ中心生活。

越岡先輩


高校に越岡先輩がいたら
最初は全く興味無いと思う。


『3年の越岡先輩ってマジで金持ちらしいよ』


そんな噂は聞くけど別に興味無い。
みたいな。

むしろ越岡先輩って誰さ。
顔と名前一致しねーよ。
みたいなテンションでいて欲しい。

でも一緒につるんでる友達が
熱烈な辰巳先輩ファンで
廊下ですれ違うたびに


『辰巳先輩〜〜♡♡』


って猛烈にアタックしに行くわけですよ。

その様子をちょっと離れた場所で見てたら
辰巳先輩が近くにいる3人のうちの1人を
『コッシー』って呼んでるのを聞いて
ああ、あの人が越岡先輩ね、金持ちの。
って自覚するんですよ。

脚長ぇな。とか、
声高ぇな。とか、

そんなどうでもいいことしか思わないです。
そのぐらいの印象なんです。
顔と名前が一致しても。


でもとある日にその辰巳先輩の
熱烈ファンな友人(以後、辰巳ガール)
が辰巳先輩に差し入れとして渡したいから
一緒にやらない?って
おかし作りに誘われるんですわ。

まぁ暇だしおかし作り好きだしいっか。
ってオッケー出して
放課後使って作るんですわ。

マフィンとクッキー。

可愛くラッピングする辰巳ガールの横で
ただラップに包む。
お母さん…食べるかなぁ。
とか思いながら。

んで辰巳ガールがサッカー部のところに
届けに行ってる間に暇だし
校舎徘徊して待ってるんすわ。

んで音楽室から音楽が聞こえてきて。
なんとなく覗くと

います。

金持ち越岡。

…あっ、

って思った瞬間にはもう目が合っちゃってて
ニコニコ笑った越岡先輩がこっち歩いてきて
ドア開けて顔だけ出した越岡先輩に


『何覗いてんの?笑』


って笑われたい。


『いや、別に…』


みたいにごまかすその子に


『入る?』


って爽やかに誘ってくる。

なんとなく誘われるままに
音楽室お邪魔して適当な椅子に座る。

んで何か話すわけでもなく
越岡先輩がピアノ弾いてるとこを
ボーッと見てる。

金持ちで脚長くて爽やかでピアノ弾けて
この人勝ち組だよなぁ

とかしみじみ思いながら
弾いてるとこ見てる。


したら急に歌いだすんですよ。
弾き語り。

そうです。『虹』です。

とりあえずビックリ。

え?何?え??みたいな。
しっかり一曲歌い終わった後に

『今度文化祭でやるんだよね』

ってドヤ顔で言って欲しい。
フンって聞こえてきそうなすごいドヤ顔。


『何か…すごい武器持ってますね。』

『惚れた?笑』

『惚れない(笑)』


とか、会話したい。


『文化祭…か。』

『そ。ダンスと弾き語り。』

『ふーん』

『興味ないのかよ(笑)』


って。笑い合うの。

あの高い声で言われるんですよ。

その時にタイミングよく
辰巳ガールから


どこにいるのーヽ(・ω・` )ノ?


とか連絡来て


『じゃあ私そろそろ行きますね』


って言って


『これあげます。弾き語りのお礼』


ってさっき作った
マフィンとクッキーあげるのさ。


『ラッピング雑だな(笑)』


とか言われながら受け取ってくれます。

そんで受け取ってすぐにクッキー1枚食べて


『まぁまぁ』


ってあの爽やかな笑顔付きで言われます。

その日がきっかけで辰巳ガールが
辰巳先輩にアタックしに行ってる間
越岡先輩に声かけられるようになるの。


『今日なんかお菓子持ってないの?』


とか言われて。

そんで後日行われる文化祭。
何となく越岡先輩のステージ観に行って
弾き語りする越岡先輩が
周りにキャーキャー言われてるの見て
モヤモヤしちゃうんですよ。

そこからです。

越岡先輩との恋が始まるんです。

越岡先輩との恋が始まるんです。

(意味のないリフレイン)


越岡先輩はボディータッチとか
一切して来ないから
なかなか距離が縮まらない
もどかしい恋愛になるね、きっと。