さう日和。

ファニーフェイスなオナゴ。ジャニーズ中心生活。

2017-01-01から1年間の記事一覧

Love Liar 【7】

--------------- マスターが、 雄大くんがそう思ってることを知ったのは つい最近の事だったらしい。 人間観察が好きで、 自他共に認めるほどに勘の鋭いマスターは 私と雄大くんの関係に 少しだけ勘付いていたそう。 雄大くんが私に向ける気…

後輩の宮舘くん 〜春〜 【下】

--------------- 美味しいって噂の料理は 確かに美味しかったかも知れないけど全然食べる気になれなくて ほとんど手をつけずに残した。 幹事をしてくれたゼミ長に お会計を任せてお店の外に出る。 会費はもう渡してある。 やっと解放される。…

後輩の宮舘くん 〜春〜 【中】

--------------- ゴスン ってすごい音がして 宮舘くんの持っていた瓶が シンクの中に落ちた。 「…え?」「……」「どうしました…?」「……」「先輩?」 宮舘くんの身体を もっと自分の方に引き寄せるように ギューッと抱きしめて、 「違うの」 …

後輩の宮舘くん 〜春〜 【上】

---------------- 「お前って付き合ってる奴いたんだ」 空き教室でレポートを書いていた私に 後ろからそんな声がかけられた。振り返った先には同じゼミの奴。 「…え?」 いきなり話しかけられた上に 理解するまでいろいろと 整理しなきゃい…

Love Liar 【6】

--------------- “似てる”って何がだろう。 “自由”って何だろう。 さっきからわたしの頭の中は その2つの言葉に支配されっぱなし。 どう考えたって答えが分かるわけもない その2つの言葉が頭から離れない。 相も変わらず、私は雄大くんに …

Love Liar 【5】

---------------- 迎えられた家の中に入れば、 立ち込めるいい香りが腹の虫を鳴かせる。 「座って待ってていいよ」 何が楽しいのか、 家の主人は立ち尽くす私を見ながら ニコニコと笑う。 「もうすぐ出せるから」「…ありがと…」「あ、でも手…

俺が守りたい女。

--------------- 俺には、愛してやまない女がいる。 彼女への愛は俺が誰よりも 強いと思う…いや、強い。断言できる。 そんな彼女との出会いは もう4年ほど前に遡る。 あの時俺は、何もかもを失って 無気力なまま歩道の隅に座り込んでいた。…

Love Liar 【4】

---------------- 「○○ちゃん起きて」 肩を何度か叩かれる感覚に目を開くと 私はベッドの上で大の字になって寝ていてベットの横に立った雄大くんが 私を上から覗いていた。 「おはよう」 雄大くんは楽しそうに笑う。 その笑いは何から来てい…

Love Liar 【3】

--------------- 少し急ぎめにコートを羽織って 今まで着ていた白衣を洗濯機の中に投げ込む。 病院の裏口から出れば、 すぐ近くに見える駅の電気。夏には虫が群がる駅の電気だけど、 今は冷たい空気が照らされるだけ。 カバンを持ち直して歩…

Love Liar 【2】

---------------- 基本的にあまり運は良くない方。 別に悪いってわけじゃないけど ラッキーガール☆ とか言えるほど良くはない。そんな私なのに こんな事ってあるんだぁ… 目をパチパチさせるしか出来ない 私の前で手を振りながら 「おーい、…

Love Liar 【1】

--------------- タイムリミットは、 もうとっくに過ぎていたと思う。 彼は震える両手で 私を抱き締めながら泣いていた。彼にこんなに強く抱きしめられたのは 初めてだった。 「嫌いになったわけじゃないんだ…」 今にも消えそうな、 小さな声…