さう日和。

ファニーフェイスなオナゴ。ジャニーズ中心生活。

福田くんってさ。【2】

昨日のぴたラジ。
最高に可愛かったですね。
1時間あっという間。

フクダムスちょー軽いし。
マツは相変わらず可愛いし。
越岡さんブチ切れるし。
辰巳くん面白いし。


他のことは特に考えません(笑)
誰が何をしてるって?写真をアップしたって?
聞こえないなぁ!!!!!

てへっ♡



では2015年最後のふくだくんから
2016年最初もふくだくんで
いきましょう。えへへ。





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カタカタカタ


ひたすらにパソコンにかじりついて
キーボードを叩く。


『終わりました』


入力し終えたデータを
上司のデスクに持って行き報告する。


『あれ?早いね。』


アキラさんと呼ばれる上司の彼は、
書類を整理していた手を止めて
私からそれを受け取ってパソコンに繋ぎ
さらっと確認作業を行う。

トレードマークのハットから見える横顔が
彼の渋くて大人な男の雰囲気を
さらに際立たせている。


『うん。大丈夫そうだね』

『うぃっす』

『もっと時間かかると思った。
優秀優秀。』

『あざっす』

『今日はもう特にやる事ないから、
上がっていいよ。ありがとね』


アキラさんはいつも最後に
ありがとうとつけてくれるから好きだ。
アルバイトにも優しくしてくれる。

適当に挨拶を済ませ、
IDカードを使って退勤を押し、
エレベーターを使って自分がバイトしている
オフィスがある17階から
出入り口のある1階まで一気に降りる。

この時間は外に出る人なんて滅多にいないから
途中で止まる事なく直で1階まで行く。


『○○ちゃん!』

『わぁ、姐さん!今帰りですか?』


エレベーターを降りてすぐに
姐さんに遭遇した。


『そぅ、やっとお店の方が一段落ついてね。
まぁ今から戻ってデータ整理なんだけど』


笑いながらそう言うこの美人は
この会社に勤めて8年という大ベテラン。
いつも良くしてくれるから
姐さんと呼んで慕っているのだ。
今日も相変わらずいい女の匂いがする。


『○○ちゃんは今から次のバイト?』

『はい、でもアキラさんが
早く上がらせてくれたんで。
一回家に帰って軽く寝てから行きます。』

『そっか。昨日給料日だったんだもんね。』


そうだ、そうだ!
私は昨日給料日だったのだ。
25日締めの月末払いの給料日。


『たまには自分磨きにも使いなさいよ。
いいエステ紹介してあげるから』


そう言って私のほっぺをツンツンして
かっこ良くヒールを鳴らして
エレベーターに向かう姐さんを見送ってから…


フツフツと怒りがこみ上げてきた。


あのくるくる天パー野郎…


昨日の深夜。
私は間違って持って帰ってきてしまった
ケータイを返すために、
家の近くまで来ていたところを
駅前の公園まで歩いて戻った。

深夜の公園でブランコに乗りながら
私の到着を待っていたらしいその男は
音を立てて鳴った私の持つケータイを
見た瞬間にこっちに向かって歩いてきて、


『どうも、たちゅみゆだ〜いです』


と、名前を名乗り、
それに反応した私を見て
私の手の中にあるケータイが
持ち帰られたそれだと理解したらしく


『俺のマイハニ〜』


と言いながら私の手から
その黒いスマートフォン
スッと抜き取ったのだ。


『…え?』


とっさの事に反応できなかった。


『持ち帰っちゃうなんて酷いですねぇ。
ま、無事に帰ってきてくれたから
良かったけどね』


逆光のせいで顔が本当に見えないから
天パにばかり目がいく。


『ではでは。ありがとうございました。』


そう言った天パ男はくるりと方向を変え
ポッケに握ったケータイごと
手を突っ込んで去って行く。

スタスタと歩いていく天パ男が
視界から消えた瞬間に、


ブチッ


瞬時に逆上する音が聞こえた。


はぁ〜〜〜〜んんん!!!!?????
なんだあの態度!!!!!!!!

確かに私が悪いよ!私が悪いけどさ!
なんなんだよ!あの態度!!!
てかケータイでのマシンガントークは
どうした!!!!
しかも俺のマイハニーって!!!
主語かぶってんだよこの野郎!!!!


ドスドスと怒りを何の罪のない
アスファルトにぶつけながら歩き、

帰ってきてメイクを落として
服を手当たり次第に脱ぎ散らかすと
リュックに入れた居酒屋の制服を
洗濯機の中に乱暴に投げ入れた。

この制服のポケットに間違って
天パ男のハニーという名のケータイを
入れてしまったがために…!


…こんな事ならいっその事
気づかないまま洗濯してやればよかった


そんな最低な考えが浮かぶくらいに
私の給料日という人生で1番好きな日が
最悪な気分にされた日に変わったのだ。


オフィスビルから外に出て、
ふと空を見上げる。
まだ全然昼間だ。太陽の光を浴びると
やさぐれていた気持ちも復活して
自然と気分が良くなってくる。

オフィスワークでの仕事内容は
その親元であるアパレル企業から送られてくる
各店舗の売り上げだったり予算だったり。
つまりは数字の管理。
データをパソコンにひたすら入力するだけの
とっても簡単なお仕事。
まぁだからバイトがやるのだけれども。

最初にバイトの面接に行った時には
オシャレな若い人ばかりで衝撃を受け、
バイト採用の電話が来た時もあのお洒落空間で
自分が浮いてしまわないか内心バクバクだったけど

要は慣れである。
普通にパーカーとデニムで出勤しても
何とも思わなくなった。

最低限のマナーさえわきまえて、
あとは仕事が出来れば人間生きられるのだ。

家に着いた私は早急にメイクを落とし、
ベッドに潜り込んだ。

バイトの分際で遅刻するわけにはいかないので
しっかりとアラームをセットする。


『3時間は寝れるな…』


早めに上がらせてくれたとはいえ、
嫌な気持ちを忘れるために休憩もなしに
パソコンとにらめっこしていた私の目は
疲れていたらしく、

目を閉じた瞬間にじんわりと熱を持ち、
すぐに眠りへと誘ってくれた。


そして目が覚めた。
私の目を覚まさせたのは、
セットしたアラームではなく着信音だった。


『んだよ…誰だよ…』


モゾモゾと布団から顔を出して
ケータイを手に取る。

まだ光に慣れていない目を
細ませながら見たディスプレイには
今から出勤するはずの居酒屋の名前。


『…ぁい…』

『あ、ごめん○○ちゃん!寝てた?』


いつも柔らかい雰囲気でゆっくり喋る
店長にしては珍しく慌てた様子の声だった。


『…まぁ、…どうしたんですか?』

『急に当日宴会で20人入っちゃってね、
ウチは当日宴会やってないって何度も言ってるのに
お得意様だったから断れなくて…

少しでいいから早く来て貰えないかなぁ。』


花金のクソ忙しい時間帯でも
特に慌てる様子もない店長が
ここまで焦ってるって事は相当なんだろうな。


『分かりました。すぐ向かいます。
でも今家なんでそっち着くまで
最低30分はかかりますよ』

『え?そんなに早く来てくれるの!?
ありがとう待ってるね!!』


え、そんなに?


やたらよろこぶ店長の声を不思議に思いながら
通話終了と表示されている
ケータイ画面を見つめる。

そして悟る。


寝始めて30分しか経ってないじゃん…

画面に表示されている現在の時刻は
アラームセットした時間から30分後の時間。


『うっそーん、、』


だから店長あんな喜んでたのか。納得。
今からすぐに準備して出勤したら
最低でも2時間は元のシフトより早く入る事になる。


…何だか付いてない。


昨日のケータイ事件といい今日といい。
そういえば今月の星座占い、ビリだったかも。

深いため息をひとつついてから
さっきメイクを落としたばっかの顔に
もう一度化粧水を叩きつけ始めた。





『○○ちゃん!本当に助かるよ!
ありがとうね!!早速なんだけど
どんどん料理運んじゃってくれる?』

『へーい』


本当にピッタリ30分後に出勤して
タイムカードを切り、ハンディを
エプロンのポッケに入れた私に
電話の時と同じくらい余裕なさげな店長が
早速指示をしてきた。


『もぉ〜〜ッ!いきなり20人て何だよぉ〜ッ!』


わぉ。愚痴まで言ってる。
こりゃあなかなか切れてますな。


店長が慌てながらもきれいに盛り付けた
サラダやお刺身盛りを運ぶ。


『失礼しまーーす!』


営業用に高めにした声を出しながら
宴会卓のドアを開ける。


『あ、○○ちゃん!ごめんね〜今日は急に〜』


そこにいたのは確かに店長の言う通り、
断りづらいお得意様だった。

お店の近くに会社があるらしく
飲み会の時は毎回決まって
ウチの店を使ってくれているし、
宴会じゃなくても個人でも何人かで
飲みに来たり本当に良くお店に来る。

ただどこから調べたか知らないけど
いつの間にか私の下の名前を
ちゃん付けで呼ぶようになってから
私はこの人が嫌いでならない。

いや、名前を呼ばれる前から
どことなく苦手な印象は持っていた。


『でも店長さん、受け入れてくれてよかった〜
○○ちゃんにも会えたしね!』


そう言ってテーブルに料理を置く私の肩に
ポンと手を置いてくる。
心底気持ちが悪い。
私はお前のせいで2時間も早く
出勤する羽目になったんだよ。


『ありがとうございます〜』


適当に流して仕事をこなす。
こちとら暇じゃねーんだ。
君の相手などしてられない。



嫌いなお得意様の相手をしながら
最初こそ忙しかったものの
意外と混まなかった店内には
やっとゆっくりとした時間が訪れていた。


『ちょっと○○さん〜
もう俺あそこの宴会卓行きたくないっすよ〜
行くたびに○○ちゃんは?○○ちゃんは?
ってうるさいっすもん。』

『知らん、働け若者。』

『一個しか変わんないっすよ』


その後、私が出勤するはずだった時間に
普通に出勤してきた
可愛らしい顔をした後輩の男の子に
嫌いな奴の相手を押し付けて


店空いてきたな〜〜
早く来たんだから早く帰らせてくれないかな〜


もう仕事やる気無くなってきて
裏にはけて勝手にグラスに注いだ烏龍茶を飲む。

しかしそんな私の願いも空しく
後輩くんが新規のお客様を案内しているのが
目に入った。


『ご新規4名様でーす!』


裏に聞こえる声でそう言った後輩くんに
ホールみんなでいらっしゃいませー!と答える。


あ〜あ。帰れねぇや。


そう思いながら表へ出ると
青ざめた顔でこっちに走ってきた後輩くんが


『やべぇっす!やべぇっす○○さん!
マジ腹痛い!漏れる漏れる!!
ファーストドリンク聞いてきて!!』


と後半敬語落っことしながら
切羽詰まった顔で言ってきた。


下痢かよwww


酷い顔だなと、内心馬鹿にして

ハンディ片手に失礼しますと言いながら
扉を開けた瞬間。

固まった。


多分今私はさっきの漏れそうだった
後輩くんより酷い顔をしていると思う。

開けた扉の先にいたのは


『あ、ケータイ誘拐犯だ(笑)』


紛れもなくあの天パ男だった。


逆光で見えなかったはずの顔だけど
なんとなく顔を見た瞬間に、
あの時の人だって分かった。

何故かは分からないけども。


『え?どゆこと?(笑)』


天パ男の向かいに座る、
目がくりっとした顔の小さい人が
楽しそうに聞いてくる。


『この子が俺のケータイ持ち帰った子。』

『あー!この子が!』

『そうそう!』

『こんばんは〜また来ちゃいました!
つって!(笑)』


その小顔の人に続いて天パ男以外の2人も
こんばんはと挨拶してくる。

混乱しながらもこんばんはと返す。


『電話の声聞く限り
もっと幼いのかと思ってた(笑)』


そう、笑いながら話しかけてくれる
その人の向かいでどんどん注文してくる天パ男。


『ビール4つと〜いぶりがっこと〜
枝豆と〜軟骨の唐揚げと〜』


フリーズしてたから全然聞いてなくて
慌ててハンディ開いて打ち込む。

それでも止まらずに注文をどんどん口にする
天パ男にたまらず


『ちょっと、たちゅみさんストップ!!』


叫んだ瞬間にハッとした。
集まる視線。微妙な空気。


何言っちゃってんの自分…


耐えられないこの雰囲気に
顔を真っ赤にしながら俯いていると


『…俺?』


意外な方から声がした。


『俺、辰巳。』

『…え?』


見上げた先には話しかけてきてくれた
小顔の人。


ハッと思って視線を変えた先には
豆鉄砲を食ったような顔をする天パ男。

しかし次の瞬間吹き出して
テーブルに額をつけながら爆笑する。


『最高なんだけど…』


半分泣きながら笑っている彼が
小声でそう言った。


『え、ちょっと福ちゃんどゆこと?』


爆笑する彼の隣に座っている爽やかな人が
震えるその肩に手を置きながら、そう聞く。


…福ちゃん…?


『たちゅみゆだ〜いですって名乗ったけどさ、
自分のケータイに自分から電話かかってくるって
普通に考えたらあり得ないでしょ(笑)』


ゲラゲラ笑いながら説明する天パ男に
最初は意味が分からなかったけど
その話を理解した瞬間に、
また顔が赤くなった。


私が持ち帰ってしまって
公園で天パ男と待ち合わせた時に
手に持っていたのは
紛れもなく天パ男のケータイ。

だから、彼が自分のケータイに電話をかけるとしたら
それは誰かからケータイを借りなきゃ出来ない訳で。

私が公園の入り口でウロウロしていたのが見えて
自分のケータイを持っている人物か
確かめるため電話をする際に
使ったケータイが“たちゅみゆだ〜い”
から借りたケータイだったのだ。

確かに最初に電話の向こうにいた本物の
“たちゅみゆだ〜い”はマシンガントークだったし、
そのケータイの持ち主の友達。
と名乗っていた。


『まさか呼ばれると思わなかった(笑)』


相当面白かったのか
まだ笑っている天パ男に
恥ずかしさが込み上げる。


『…でも。たちゅみって女の子の口から
言われるとドキドキするね(笑)』


本物のたちゅみがそう言って
私の頭をポンポンする。


『せっかくだからそのまま俺のこと
たちゅみって呼んでよ』


見上げた先にいた彼の笑顔に少し救われて、


『生4つ、すぐ持ってきますね』


と言って立ち上がり、未だに笑い続けてる
福ちゃん、と呼ばれた天パ男を
一睨みしてから扉を閉めた私に、


『…可愛いなぁ(笑)』


笑いを含みながら
そうつぶやいたその声は届かなかった。




【続く】


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お気づきかもしれませんが、


初めての長編です。

今までなら端折って端折って
書いてたので、こうやって改めて書くと
難しいですね。
そして投稿する前に何度読み返しても


くそっ!!なんでだ!!!
読みにくい!!!!!


と、机を殴り続けています。


特に、たちゅみゆだ〜いの下り。
あの間違って呼んじゃったところの下り。

何回読んでも読みにくい(笑)


文才のなさツラァ。