読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

さう日和。

ファニーフェイスなオナゴ。ジャニーズ中心生活。

ヤンキー岩本くん【5】

ジャニーズ 妄想

------------




季節が移ろいできた。


あんなにジメジメして
気持ち悪かった天気は
いつの間にかジリジリとした暑さになっていて

もわんとした空気が身体を包む。



夏ってあんまり好きじゃない。


授業中にノートは腕に張り付くし。

開けっ放しの教室の窓からは
変な虫が入ってくるし。

何もしてないのに汗かくし。


衣替えを迎えて学校中が
ワイシャツ1枚で過ごす中

ふっかと岩本くんも
ワイシャツ1枚になったんだけど、


…岩本くんの、腕筋がカッコいい。


ちょうど肘が見えるか見えないか
くらいのところまで綺麗にまくられた
ワイシャツの袖から覗く腕筋は、

毎日の筋トレのおかげなのか
程よく太くてガッチリしてて


なんだろう…噛み付きたくなる。




…岩本くんは前より
ケータイをいじらなくなった。


それでもいじっているけど。

しっかり連絡は取ってるっぽいけど。



あたしはと言うと、


『ねぇ、岩本くん』

『あ?』

『髪染めるのって痛い?』

『髪なんだから痛くねーだろ』

『夏休みの間だけ染めようかな』

『夏休みの間?』

『うん。思い切って岩本くんくらいに』

『お前黒髪のが似合うだろ』

『なんで?』

『色白いから』


岩本くんの何気ない一言に
キュンキュンしちゃうくらいには
今日も彼に惚れている。


…嫌んなっちゃう。






夏ってあんまり好きじゃない。


汗でベトベトになった肌に
髪の毛が張り付いてくるし。

ちょっと外歩いただけで
やたら日焼けするし。


“○○ちゃん!!!何故か
正門に照の元カノがいる!!!”


ふっかから最悪に等しいような
連絡がくるし。





ふっかからのラインが来たのは
放課後になってすぐだった。

早めにHRが終わって帰ろうとしたふっかは
正門に岩本くんの元カノがいるのを見つけて
あたしに連絡してくれた。

岩本くんにはまだ知らせてないみたいで、


“○○ちゃん!どうすんの!!?”


テンパりまくりのふっかに


“すぐ行く!”


って返事してダッシュで教室を出た。



飛んで火に入るなんとやら…


そんな言葉が頭をかすったけど、
走り出す足は止まらなかった。






正門に着くと、木の陰に隠れながら
キョロキョロしてるふっかが目に入った。


『ふっか』


近づいてポンと肩をたたくと
肩を掴まれてあたしも木の陰に隠された。


ラインに反してふっかは
何気に落ち着いていた。


『どこだクソビッチは』

『こらこら、お口が悪いですよ』

『いいから、どこ』


後ろからあたしの肩に顎を乗せた
ふっかがポショポショと耳元で


『こっから見れば見える』


って言うから、ふっかの言った
こっちとやらから顔を出すと

セーラー服に身を包んだ女の子がいた。


小柄で華奢な
セミロングの髪の毛をサイドで1つに束ねて

某夢の国で絶大な人気を誇る
クマのカップルのキャラクターのぬいぐるみを
付けた通学バックを肩から下げた。

THE 女子力な女の子がいた。


うつむき加減で立っている彼女は
髪で顔が隠れるせいで見えなくて、
どうしても見たいあたしは
ぐいぐいと身を乗り出す。


『ちょ、○○ちゃん…!』


ふっかが出す不満げな声なんて
気にも留めない。


『ちょっとふっか邪魔』

『邪魔って…』

『ちゃんと隠れてよ』

『隠れてるよ…!』

『なんか狭いな、ここ』

『俺の顔がデカいからだよ!!』


…あ、


いつものお決まりの流れになって
それこそいつもの通りふっかが
叫んだ瞬間に2人して顔を見合わせて

恐る恐る顔を向けると…


『…深澤くん?』


元カノがばっちりこっちを見てた。


『ど〜もぉ〜〜』


売れない芸人のような挨拶をしながら
木の陰から出るふっかのあとを追って
あたしも超戦闘モードでそこから出た。


目の前に立って、
ガッツリと顔を見ることが出来た
岩本くんの元カノとやらは


『深澤くん、久しぶり』


フランス人形みたいなお顔をした
とても可愛い子だった。


ニコニコしながら


『他校の前で待つなんてちょっと
恥ずかしかったから、
知ってる人がいて安心した』


中学時代の同級生を見つけて
安心しながら話す元カノちゃんの
上目遣いが究極気にくわない。

小柄だから仕方ないのかも知んないけど。
ほんっっとに気にくわない。


『なんでここにいるの?』


深澤、彼女は岩本くんに会いに来たんだよ。


『あの…ひかるに会いたくて』


ホラ見ろ。

…ぜってー会わせたくねぇ。




かっえっれっ!かっえっれっ!かっえっれっ!
かっえっれっ!かっえっれっ!かっえっれっ!
かっえっれっ!かっえっれっ!かっえっれっ!



脳内で帰れコールをしまくってるあたしに
ふっと視線をずらしてきた
元カノちゃんは


『えっと…深澤くんの彼女さん…?』


と、問いかけてくる。


毎日1つ屋根の下でひかるくんと
一緒にご飯を食べる仲とでも言ってやろうかしら。


元カノちゃんからの質問に
反応しないでいたら、


『ううん、友達』


代わりに答えてくれるふっか。


反応もしないで、ジッと見つめるだけの
あたしのあまりの態度に
えっと…って少し困惑した元カノちゃんは


『ひかる…まだ学校にいる…?』


また視線をふっかに戻した。


『あ、どうだろ…分かんないや』

『そっか…』

『照に伝言あるなら伝えておこうか?』

『いや、えっと…』


そうだそうだ。早く帰れ。
ふっかに伝言頼んで早く帰れ。


岩本くんと元カノちゃんを
どうしても会わせたくないあたしは
まだ学校に残ってる岩本くんが
出てこないかヒヤヒヤしながら
ひたすらそう祈る。


『ひかる…最近連絡返してくれなくて』

『…あ、そうなんだ』

『電話も出てくれないから』

『……』

『…会いたくなって』

『……』


元カノちゃんのその発言に
今まで優しく相手をしていたふっかも
さすがに黙る。


…何言ってんのこいつ…


『私、付き合ってた人と別れたの』

『……』

『そしたら別れたつもりないって言われて
ストーカーまがいなことされちゃって…』

『……』

『すごく怖くて、
頼れる人ひかるしかいなくて…』

『……』

『ずっと相談に乗ってもらってたんだけど…』


聞きたくねーから黙れ。



もうどんな反応をしていいか分からないふっかと
私情丸出しで冷たい視線を向けるあたし。


直立不動で立ちすくむあたしたち2人に
元カノちゃんは肩から下げたバックの
手提げをギュっと掴みながら続ける。


『そしたら、ひかる一生懸命話聞いてくれて
すごく優しくしてくれて…』

『……』

『私…ひかるのことばっかり
考えるようになっちゃって…』

『……』

『付き合ってた頃の事とか思い出しちゃって…』



本当にすげーなこの女。
よくこんなこと言える。

二股掛けるだけあるわ。



『私のせいで別れることになっちゃったけど…』

『……』

『…でも、ひかるのことが忘れられないの。
今でもひかるが好きなの。』


その大きな瞳から
雫が1つポロっと落ちた。

俯いて涙を拭う元カノちゃんに
慌てて手を差し伸べようとしたふっかは


『…チッ…』


あたしの舌打ちに動きを止めた。


ハッキリとその場に響いたその音に
元カノちゃんも顔を上げる。


『…あんた最っ低』

『…な、なにが…?』


舌打ちに続くあたしから発せられる声に
元カノちゃんは
涙で濡れた目を大きく見開いた。


『こんの、ドブス!』

『…へ…』

『自分の事しか考えてない
超自分勝手な性格ドブス!』


きっとその容姿だから
ドブスなんて言われたことないであろう
元カノちゃんはビックリした顔のまま
ピクリとも動かない。


『自分のせいで別れたとか言っておきながら
よくぞまぁ連絡よこせるよね!』

『……』

『しかも連絡返さないから会いに来た?
馬鹿なんじゃないの!?』

『……』

『あんたはそれで満足かもしんないけど
なんで岩本くんが連絡返さなくなったのかとか
考えてみた!?』

『……』

『あぁ、頭の悪いあんたには
考えることも出来ないかもね!!』

『……』

『て言うか、
“考える”って日本語知ってる!?』

『……』

『知らないだろうね!
こんなこと出来るくらいだもんね!!』

『……』

『マジでどうしようもないんだけど
あんたのその神経!!!』

『…ふか、』

『何?またそうやって男に助け求めるの!?』

『…え、…』

『男に助け求めれば誰でも
助けてくれると思ってんの!?』

『……』

『おめでたい脳みそしてんのね!
あんたのそのちっこい脳みそは!!』


止まらないあたしの怒鳴り声に
元カノちゃんの目から
大粒の涙がボロボロとこぼれる。


…でも、それさえも今のあたしには
この勢いを増すだけの要素にしかならなくて


『はぁ!?そんで泣くの!?
泣いてどうにかなるとでも思ってんの!?』

『…ッッ…』

『泣けば同情してもらえるとでも思った!?』

『…ッ…』

『残念ね!あたしそんなに優しくないから!!』

『……』

『根性悪の性格ドブス!!』


その言葉を投げつけた瞬間に
元カノちゃんが泣き顔を手で覆って
その場から走り出した。


その場に残されたあたしは
フゥフゥと肩で息をしながら
ギュッと握った手を震るわす。

あたしの隣で立ちすくんでいたふっかが
こっちを見ているのが分かる。


『……』

『……』

『…ふっか』

『なに?』

『追いかけなくていいの?』

『誰を?』

『あの子。』

『……』

『泣いてたよ』

『…うん、でも』

『……』

『今俺の目の前にいる子も泣いてるよ?』

『…ッッ、』


いつから泣いていたのか自分でも分からない。

でもあたしの目からは
止まるどころかどんどん涙が溢れる。


…何様だよって言われるかも知んない。

あたしこそ岩本くんのなんなんだよって。


あの子にあんな事言えるほど
あたしだって岩本くんのことなんて
何も知らない。


それでも、あの子が許せなくて。

岩本くんの優しさに漬け込んでいる
あの子が許せなくて。


色んな感情が混じって
おぇおぇ嗚咽をもらしながら
泣くあたしを、
ふっかは自転車の後ろに乗せた。

ニケツし慣れていない感満載の
ふっかのヨロヨロ運転の後ろで
その狭い肩幅の背中に顔を押し付けて
周りにバレないように泣き顔を隠す。


『ちゃんと捕まっててね』


顔を押し付けてる背中から
ふっかの声の振動を感じる。



あたしって本当に可愛くない…


なんだよ、さっきの。

完全に悪役なセリフじゃん。


自分勝手なのはどっちだ。


岩本くんに今でも大切にされてる
元カノちゃんに嫉妬して
ぎゃんぎゃん喚いたあたしの方だろ。


『もうやだ…死にたい』


ふっかのお腹に回した手に力を入れて
くぐもった声を出した。


『え〜死なれたら困るよ』

『…あた、しなんてッ死んだほうがマシ…』

『何言ってんの』

『……』

『俺は○○ちゃんに死なれたら困るよ』

『…なんでよッ』

『親友だから』

『…ッ…』

『ありがとう、
照のために怒ってくれて。』


ふっかのその言葉に
もっともっと涙が溢れた。






次の日も次の日も、
岩本くんから何か言われることもなく。

ふっかからも何か言われることもなく。


元カノちゃんの情報は
全然入って来なかった。






“照、元カノにやり直したいって
言われたらしいよ”


ふっかからそんなラインが来たのは
夏休みに入って
一週間ほど経ってからだった。





---------------




次回、「ふぉ〜ゆ〜主演舞台が決まったネッ☆もぉ嬉し過ぎて朝から狂喜乱舞ドンドコドンドコ!!!!越岡さんに公務員役を配役した人誰?ちょっとドンピシャ過ぎて金一封あげたいんだけど。越岡さんが公務員だよ?公務員!ウッショーーイ!!私がプレゾンを見せまくってふぉゆ沼に落とし込んだ幼馴染と共に9月は日比谷に向かいますさかい!!!スペシャル!」やります。


サンキューサンキューでーーす。