さう日和。

ファニーフェイスなオナゴ。ジャニーズ中心生活。

後輩の宮舘くん 〜夏〜

めっちゃ昔に書いた
宮舘くんのお話の続編…


後輩の宮舘くん - さう日和。


を、書いたみようかなんて思ったので。



徒然なるままに〜。




この頃書いてたやつは

ちゃんとした文章になってない
死ぬほど意味不明なただの文字の羅列に
なっておりますが…

読んで頂ければ話が繋がると思います(笑)









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大学に入学して、
5ヶ月ほど経った。


思い描いていた、

華やかなキャンパスライフ♡

私、花の女子大生♡


なんてものには程遠かった。


確かに高校の時に比べれば
いろんなことが自由になったし、

サークルに入って
今まで興味がなかったものに
目を向けるようにもなったし、

ほとんどの子が一人暮らしだから
互いの家に行き来したりして
下手なりに凝った料理作ったりして。


楽しい毎日ではある。


でも、何だろう…
色気に欠けてる。

色恋沙汰に欠けてる。


サークルの先輩に恋するわけでもなく、

同じ学科の男子に恋するわけでもなく、


色で例えるならピンク色が1つもない。



でも、その原因も分かってる。

何でこうもピンク色の部分がないのか。


…それは。



『先輩今日も買い弁じゃないですよね?』

『うん。買い弁じゃないよ。』

『絶対買い弁…』

『ふっふっ』

『俺、先輩の食生活が心配っすよ』


卒業して以来、毎日連絡を取ってる
この後輩のせい。


『聞いておくれよ、宮舘くん。
最近のコンビニ弁当って凄いんだよ。』

『何がっすか』

『クオリティが凄いんだよ。』

『ちゃんと自炊しましょうよ…』


電話の向こうで呆れながら笑うその声に
今日もまた癒される。



…後輩の宮舘くん。



彼のせいで、
大学でわざわざピンク色を
見つけようと思わなくなってしまってるのだ。


卒業する少し前に、
宮舘くんに告白された。


それはもうサラッと。

サラサラッと。


サラサーティコットン100並みに
サラサラの告白をされた。


告白された瞬間は
何が何だか分からなかったし、


『顔のカッコいい奴の言うことなんて
信じちゃいかん!信用するな!

お前はからかわれてるんだ!!』



って私の中のひねくれ者が
声を荒げて警告してきたけど、


所詮、私だって女。
端くれだったとしても女。

告白はすごく嬉しかった。


卒業式の日にもらった手紙だって、
未だにコッソリ読み返したりする。


その手紙の内容は
何度読み返しても、その度に


『ぐぅぉぉ…』


と、唸り声を上げてしまうほどに
やっぱり恥ずかしい。


なのに本人は、私に渡してくれた時に
“ちょっと恥ずかしいんで”
って言ってたくせに

普通に、


手紙読んでくれました?


って、連絡してきた。

しかもその日の夜に。




連絡先を教えた記憶がなかったから、


誰から聞いたの?


って聞いたら、
友達の友達の先輩の〜って
言い出すからちょっと怖いと思った。


その日から今までこうして連絡を取ってる。


私に宣言した通り、
本当に私と同じ大学を受けるらしい彼は
今、猛勉強中だから

1日1回程度のラインのやり取りだったり、
たまにこうして電話だったりって感じだけど、


彼の落ち着いた喋り方と
少しだけ私を馬鹿にする物言いが
なんだかとても好きで、

気づけばもう5ヶ月経っていた。


『もう夏だね〜』

『夏ですね』

『私明日オープンキャンパス
スタッフやるの。日雇いバイト。』

『金もらえるんすか?』

『じゃなきゃやらないよ。クソ暑い。』

『クソ言うな(笑)』

『んふふ』

『明日も暑くなるみたいだから
身体に気をつけてね』

『宮舘くん、おじいちゃんみたい』

『俺のが先輩より年下っすよ』

『あははっ。
じゃあまたね、おやすみ〜』

『おやすみなさい』


宮舘くんの声を最後に、
私はベッドに寝っ転がって
まぶたを閉じた。


…5ヶ月、連絡は取ってるけど
あれから1回も会ってないのかぁ


面と向かってないから、
ここまで話せるようになったんだろうなぁ

じゃなきゃ告白された相手と
顔合わせて話すなんて…
照れくさくて無理。


あ〜、でも…

ちょっと会いたいかも…



なんて思いながら意識を手放した。










『やっぱりやるんじゃなかった…バイトなんて』


朝からずーっと外に立って
パンフレットとかビラ配り。

いくらお金がもらえるって言っても
これはさすがに暑すぎる。


『でも○○、金欠なんでしょ?』

『そう。お金やばい』

『それ絶対食費だよ。
あんた自炊しないから』

『何も言い返せません』


暑い暑い日差しの中、
次々と入ってくる見学者に
パンフレットを渡す。

一緒にバイトしようと
誘ってくれた友達とひたすらに
笑顔を振りまきながら
パンフレットを配っていると…


『なんだ、生足出してるじゃないすか』


聞き覚えのある声が、
ものすごくクリアに聞こえた。


『…ッ!?』


信じられないけど、
振り返ったその先にいたのはどう見ても…


『みや…だてくん…』

『お久しぶりです、先輩。』


昨日電話していた宮舘くんだった。


『え?なんで?ええ?嘘?』


思わず駆け出すと、
宮舘くんも笑いながらこっちに歩いてくる。


『志望校のオープンキャンパスくらい
行くに決まってるじゃないすか』

『え?でも何も聞いてない!』

『言ってないですもん』

『言ってよ!』

『てゆーか先輩すごい汗』


とびっきりの笑顔で
おでこに流れる汗を触るもんだから
恥ずかしビックリで
つい後ろに一歩下がる私。


『あれ?慣れたと思ったのにな』

『いやいやいや…』

『相変わらず照れ屋なんすね』


乱れてもいない前髪を
何度も直す私をケラケラ笑う、
宮舘くんの方が相変わらずで…


『…言ってほしかった…』


言ってたらもっと可愛い服着たし、
可愛い髪型にだってしたのに。


『スタッフやるなんて
俺だって昨日聞いてビックリしたんですよ。』


…それでもさぁ、


ってむぅっと頬を膨らました私に、


『お互い様でしょ?』


少しかがんで私の顔を覗き込む。

やっとそこでちゃんと顔を見れて
1つ気づく。


『宮舘くん…髪…』


宮舘くんは髪が少し長くて、
いつも毛先を遊ばせてるイメージがあったから
つるんと丸いマッシュみたいな
髪型になっていてすごく驚いた。


『切っちゃった』

『…カッコいい…』


一瞬の沈黙と、
目を見開いた宮舘くんの顔に
バッと自分の口を手で押さえる。


目を見開いていた宮舘くんは
意地悪な笑みに表情を変えると、


『先輩、もっかい』


表情以上に意地悪な声でそう言う。


『……』

『もっかい言って?』

『……』

『せーんぱい』


やっぱり会いたくなかった!

こんなに恥ずかしい思いするなら
電話で話すくらいが
ちょうどよかった!!


真っ赤に染まる顔を
これから来る見学者に配らなきゃ
いけないパンフレットで隠してると、


『あの〜…○○の知り合いですか?』


一緒にバイトとしてた友達が
声をかけに来てくれた。


『あ、すみません…仕事中だったのに』

『全然大丈夫ですよー』

『僕、後輩なんです。』

『後輩さん?』

『はい、高校の』

『こんなイケメンな後輩いるとか
聞いてませんけど?』


友達の声が私の方に向いたのがわかる。


『……』


でも、やっぱり恥ずかしくて
顔を上げられずに小さくなる私に


『とりあえず俺行きますね。
先輩、後で連絡します。』


宮舘くんは大人。


私がコクリと頷いたのを確認すると、
友達にもちゃんと『失礼します』って
挨拶してから校舎の方へ向かっていった。


『……』

『……』

『…後輩くん行っちゃったよ?』

『…うん…』

『…いいの?』

『…うん…』

『あんたってそんな顔出来んだね』


頬を真っ赤に染めて意味もなく
半泣きになる私の顔を見て笑う友達に


『今の後輩、
宮舘くんって言うんだけどね…』


初めてピンク色の私を見せようと思った。







“先輩いつも学食で何食ってるんですか?”


パンフレットを配り終わって、
説明会に使った機材を倉庫に運んで…

意外にも午前中で終わったバイト。


それでも暑さにやられて
ヘトヘトでクーラーのかかった教室で
涼んでいた私のケータイに
そんな連絡が来た。


『宮舘くんからじゃん!』


私よりも先に友達が反応する。


『見ないでよ…』


って言いながら
横から画面を覗かれてる手前、


“B定食”


ってだけそっけなく送ったら


“ガッツリっすね(笑)”


って送られてきた。


『あんたが歓迎会とかしても二次会行かないで
さっさと帰る理由、分かったわ。』

『…なんで?』

『こんな相手いんだもん』

『……』

『そりゃ1年待つわな(笑)』

『…恥ずかしい』


そう言ってまた頬を赤くして
机に突っ伏した私の耳に、


『でもそんな意地はってたら
他の子に取られちゃうかもね〜』

『……』

『せっかく大学まで来たのに
愛想もない女より』

『……』

『近くでニコニコしてる
可愛い〜同い年の子の方が』

『……』

『宮舘くんだっていいんじゃない?』

『……』


なんて言葉が容赦なく届く。


友達のその言葉に、
私はむくりと顔を上げて
ぽちぽちとケータイを操作した。











『先輩!』


小走りで近づいてくる宮舘くんに、
私もベンチから立ち上がる。


『もうスタッフの仕事終わったんですか?』

『うん、午前中で終わった』

『お疲れ様です』

『大学の中どうだった?』

『大学って広いんですね、迷うかと思った』

『私未だに迷うよ』

『入学して結構経ちますよね?』


驚いた顔で馬鹿にする宮舘くんに、
少しずつ緊張もほぐれていく。

電話でしゃべってたみたいに
いつも通り話せば良いんだ。


『連絡嬉しかったです』

『…え、あぁ…うん。』

『俺も先輩と夜飯食いたいなって思ってたから』


ありがとうございますって言いながら、
宮舘くんは自然と私の手を取った。

一瞬身体がビクって反応したけど、
友達の言葉を呪文のように
頭の中で繰り返して

繋がれた手から少しだけ力を抜いた。


『夜ご飯まで時間あるけど…どうする?』

『買い出し行きましょ』

『買い出し?』

『俺作ります。夜飯。』

『えぇ!?外に食べに行かないの!?』

『コンビニ食ばっかの先輩に、
俺が作ってあげます』

『部屋全然掃除してない!!』

『気にしないですよ、そんなの』

『私が気にする!』


ピーピー喚く私の手を引っ張って、


『早く家まで案内して下さいよ』


って言う宮舘くんに、
自分から夜ご飯に誘ったくせに

もう何でこんなことに…って思いながら
力なく駅までの道を歩き出した。





大学から何駅か離れたところにある
私のアパートまで
電車で移動して、

駅から家までの途中にあるスーパーで、
あれこれとオシャレな野菜を
カゴに入れる宮舘くんの横を歩いて

玄関の前で宮舘くんに5分ほど待ってもらって
部屋の中の散らかってたものを
押し入れにガンガン詰めて


『本当に汚いから…』


と、言って家に招き入れた。





部屋に入って1番に、


『この部屋、先輩の匂いしますね』


って言ってきて、
この人わざと私が恥ずかしがるようなこと
言ってるのかなって思った。





宮舘くんが作ってくれた夜ご飯は
どれも想像の範疇を越えた
オシャレな料理ばっかだった。


『…どうしました?』

『これ全部宮舘くんが作ったの?』

『いや、このジャガイモの皮剥いたのは
先輩ですよ?』

『そういう事じゃなくて…』


いや、もう本当にプロレベル。


ウチにあったただの白いお皿が
高級皿に見えるくらい盛り付けも綺麗。


おいしいおいしい言いながら
女子っぽく取り分けもせずに
むしろ宮舘くんに取り分けさせて
ひたすらにもぐもぐ食べる私を
宮舘くんは嬉しそうに見て、


『食べてる時のほっぺ可愛いですね』


って、また確信的な言葉を言ってた。







『先輩、大丈夫ですよ』

『嫌。駅まで送る』

『もう遅いから危ないですって』

『送る!』


少し困った顔をして
笑った宮舘くんに続いて
自分も靴を履いて外に出た。

鍵を閉めて振り返ると、
当たり前のように手を繋がれた。


湿気でジメジメする空気の中でも
宮舘くんとなら
暑さも汗ばみも関係なく、
ずっと手を繋いでいたいなって思った。


『宮舘くん、電車の時間何時だっけ?』

『42分発』

『もう1本遅いのないの?』

『そうやってもう3本遅らせてますよ』

『…そうだっけ』

『これが最終です』

『…ごめんね』

『謝らないで下さいよ』


口数が少なくなったと同時に、
駅の灯りが見えてきた。


『じゃあ…また連絡しますね』


もう最後は何もしゃべれなくなった私に
宮舘くんが優しく話しかけてくる。


『帰っちゃうの?』

『帰りますよ』

『……』

『…先輩?』

『…泊まってけばいいのに』

『え?』

『ウチ、泊まってけばいいのに』

『は?ダメでしょ!
女の子の部屋に男が泊まっちゃ!』


今まで私をなだめるように
話してたくせに急に慌て始める。


『…いいもん…』

『は?』

『宮舘くんだったらいい…』

『いや、ダメですよ!』

『だって…私、宮舘くんの事…ッ』


そこまで口にした瞬間に
ものすごい勢いで彼の手に口を塞がれた。


『待って!マジで言わないで!!』


もがもがと声を出す私に
気づかないくらいテンパってる
宮舘くんは手の力を緩めずに、


『大学受かったら言うって決めてんの!俺!
だからマジで俺から言わせて!!』


って大きな声で言った。


『…あ〜もうッ』


やっと私の口を押さえてた手の力を
緩めてくれた宮舘くんは、
頭をガシガシと掻きながらそう呟いて、
ギュッと私を抱き締めた。


『あーあ。帰りたくねぇなー…』

『帰らないでよ』

『次それ言ったらマジで怒る』


いつもと反対の立場に
ついクスクス笑っちゃう私に反して、
面白くなさそうな宮舘くんは


『ムカつく』


って言いながら
私の頬にキスをした。


『わッ!?』

『次会った時本当覚悟して下さいよ』

『覚悟!?なんの!?』

『じゃあ電車来るんで…またね』


やっぱり最後は意地悪く笑って、
駅に向かって歩き出した
彼のその背中に向かって

小さく“好き”って言った。




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